
【活性酸素と抗酸化作用】
活性酸素とは、他の物質を酸化させる力が強い酸素分子のことです。体内でエネルギーを生成する過程で自然に発生しますが、過剰に生成されると、細胞や組織を酸化させ、ダメージを与える可能性があります。
酸化とは、物質が酸素と結合する化学反応のことです。例えば、鉄が酸素と結合して錆びるように、体内の細胞や組織も酸化されると、機能が低下したり、損傷を受けたりします。
活性酸素が過剰に生成されると、以下のような影響が考えられます。
- 老化の促進:シミ、シワ、たるみなど、肌の老化を早める可能性があります。
- 生活習慣病のリスク増加:糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
- がんのリスク増加:遺伝子の損傷を引き起こし、がん細胞の発生を促進する可能性があります。
- その他:白内障、認知症、関節炎などの病気のリスクを高める可能性もあります。
抗酸化作用とは、活性酸素の酸化作用を抑制する働きのことです。体内の抗酸化酵素や、ビタミンC、Eなどの抗酸化物質が、活性酸素から体を守る働きをします。
コエンザイムQ10は、この抗酸化作用に優れています。
活性酸素の過剰な生成を抑えるためには、以下のような対策が有効です。
・バランスの取れた食事:抗酸化作用のあるビタミンC、E、β-カロテンなどを豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
- 適度な運動:激しすぎる運動は活性酸素を増加させる可能性があるため、ウォーキングなどの軽い運動を習慣にしましょう。
- ストレスの軽減:ストレスは活性酸素を増加させるため、ストレスを溜めない工夫をしましょう。
- 十分な睡眠:睡眠不足は活性酸素を増加させるため、十分な睡眠時間を確保しましょう。
- 喫煙は控えめに:喫煙は活性酸素を大量に発生させるため、喫煙は控えめにしましょう。
- 紫外線対策:紫外線は活性酸素を増加させるため、日焼け止めを塗るなど、紫外線対策を徹底しましょう。
バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスの軽減など、生活習慣を見直すことで、活性酸素の過剰な生成を抑え、健康な体を維持することが大切です。
<参考文献>
永田勝太郎 他.新しいストレスバイオマーカーとしてのd-ROMs test, BAP test, 修正BAP/dROMs値(酸化バランス防御系).ストレス科学29(3):281-292,2014
永田勝太郎 他.線維筋痛症の発症要因の探究:糖化,酸化,血行動態について.慢性疼痛39(1):114-118, 2020
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